RESULT REPORT
2023年 第7回現代芸術助成石原海
映像作品『激雷』の制作
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石原海 Umi Ishihara
2018年 東京藝術大学 先端芸術表現科 卒業
2024年 ロンドン大学ゴールドスミス校 Artist’s film & Moving Image 在学中
コミュニティ、そして社会から疎外された人々を描くことを主なテーマに、個人的な記憶と社会問題を織り交ぜた物語ベースの制作をしている。
主な個展
2021『重力の光』資生堂ギャラリー、東京
主なグループ展・上映
2023 『ホーム・スウィート・ホーム』国立国際美術館、大阪
2023 『第1回福岡アートアワード受賞作品展』福岡市美術館、福岡
2022 『第14回 恵比寿映像祭』東京都写真美術館、東京
2019 London Short Film Festival ICA、ロンドン
2019 New Contemporaries South London Gallery、ロンドン
2019 ロッテルダム国際映画祭、ロッテルダム
主な受賞・助成
2024 ポーラ美術振興財団 在外研修助成
2023 第1回福岡アートアワード
2019 リクルートスカラシップ アート部門
2015 現代芸術振興財団 (CAF賞)岩渕貞哉賞
助成対象活動名
映像作品『激雷』の制作
助成活動の成果
10月にギャラリー舞台裏で開催される個展に出品予定の映像作品『激雷』の制作をした。
日本で一番雷が落ちる村で雷に打たれた人だけが踊り子になれるという設定の、架空の民話のようなスタイルを取った本作は、全編熊本で撮影した。出演者には本作を制作するきっかけとなる会話をした友人と、その友人が率いるパフォーマンス集団。そして友人と熊本の旅をする中で出会った人、前作『重力の光』に出演してくれた北九州にある教会に集う人たちから数名と、制作をする過程で有機的に仲間が増えていったような経緯になった。その結果、自分の作品の中でも初めてくらいの大人数の出演者を迎えて撮影に挑んだ。時間の限られた撮影時間の中で出演者たちが力を合わせて参加してくれている姿を見て、自分の至らなさを実感すると同時に、この作品の出演者たちの持つ、ありのままの力強い生の輝きに助けられた作品になったと思う。
雷に打たれた人がいきなりピアノが弾けるようになったり、超能力を手に入れたりすることがある、という話を聞いた時に「死んでしまうかもしれないような痛く不幸な体験をしたけれど、それが結果的にいい出来事になった」という物語にも読み替えることができると思い、今回の制作に至った。それは、私がいままで作品を作り続けてきた中で一貫したテーマになっていると思う。もう生きられないと思ってしまうほどしんどい出来事が起きた人が、その痛みを抱えたままどうやって生き続けていくのか、それにはどうゆう意味があるのか、その理不尽ってなんで起きてしまうんだろう。解明はできないかもしれないけど、その痛みと共に生きる方法を、制作を通して模索していきたい。
対象作品展示情報
激雷(仮)
公式サイトhttps://artsticker.app/butaiura
開催期間 | 2024/10/17(木)〜11/10(日) |
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会場 | Gallery & Restaurant 舞台裏 東京都港区虎ノ門5-8-1 麻布台ヒルズ ガーデンプラザA B1F[地図] |