RESULT REPORT
2023年 第7回現代芸術助成高橋祐亮
『音を主要構成要素としたバーチャル空間の構築』に関する制作と展示
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高橋祐亮 Yusuke Takahashi
アーティスト
3DCGやゲームエンジンを用いた表現を中心に映像や VR 、インスタレーションの制作を行う。
Play(=遊ぶ・選択する・再生する・演じる)というワードを軸に、鑑賞者やプレイヤーが自らの固有性を想起するための拠り所となる装置としての作品制作を目指す。
主な活動として「自室境界にて(個展,2024)」、「ENCOUNTERS(展示,2024)」、「ATAMI ART GRANT (展示,2023,IEEIRとして)」「MIDTOWN DESIGN TOUCH (展示,2022)」「NEWVIEW AWARD2022(受賞,GrandPrix)」などがある。
慶應義塾大学SFC卒業、東京芸術大学大学院修了
助成対象活動名
『音を主要構成要素としたバーチャル空間の構築』に関する制作と展示
助成活動の成果
本助成、および文化庁メディア芸術育成支援事業創作支援プログラムの助成を受け、2024年2月21日~27日の期間においてRoom412(渋谷)において個展「自室境界にて」を実施した。
本展示はゲーム映像作品「自室境界END-2」を中心に構成した。「自室境界END-2」は、私が暮らす自室を3DCGで再現し、作者である私を想起させるキャラクターをアバターとして利用したゲーム『自室境界』を自らプレイ・録画・編集した映像作品である。この作品において重要な点は本来は操作可能(=playable) なゲームというメディアを、プレイ映像として操作不可能(=unplayable) なものにすることでゲーム映像内における鑑賞者の介在可能性を制限することであった。そして、ゲームという土台の上に操作不可能な状況を作り出すことにより、ゲーム映像内にplayable/unplayable という2つの認識の紙一重な「境界」を作りだし、鑑賞者が自らの行為主体性を問うための拠り所を作ることを試みたものであった。展示内では本作以外に、本作の制作過程で生まれた3つの習作を合わせて展示した。(展示ダイジェスト映像:https://youtu.be/60TsFdIujdg/)
本展示においては、Play(遊ぶ・選択する・再生する・演じる)という言葉を一つの軸としてゲーム・メディアが持つ操作可能性/操作不可能性(playable / unplayable)との触れ合いを通じて、自室/外界・リアル/ゲーム・私/他者・ここ/そこ といった様々な“境界”について考え直すきっかけになることを目指した。
対象作品展示情報
自室境界にて(個展)
開催期間 | 2024/02/21(水)〜02/27(火) |
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会場 | Room412 |