公益財団法人 アイスタイル芸術スポーツ振興財団

RESULT REPORT

2020年 第4回現代芸術助成ヒスロム

ヒスロム「現場サテライト」

  • プロフィール写真
  • ヒスロム hyslom

    公式サイトhttp://hyslom.com

    加藤至、星野文紀、吉田祐からなるアーティストグループ。
    2009年より活動をはじめる。
    造成地の探険で得た人やモノとの遭遇体験や違和感を表現の根幹に置き、身体を用いて土地を体験的に知るための遊び「フィールドプレイ*」を各地で実践し映像や写真、パフォーマンス作品としてあらわす。またその記憶を彫刻作品や舞台、映画へと展開させている。
    2015年から任秀夫氏と共に「任・ヒスロム鳩舎」として日本鳩レース協会に入会。レース鳩に関するワークショップや展示などもおこなっている。
    平成30年度京都市芸術文化特別奨励者認定。 *劇団 維新派 故松本雄吉がそう呼んだことによる。

助成対象活動名

ヒスロム「現場サテライト」

現場サテライト

現場サテライト

アルミの修練

アルミの修練

展示「ヒスロム:現場サテライト」

展示「ヒスロム:現場サテライト」

助成活動の成果

広島市現代美術館は2020年末より大規模な改修工事が行われており、2023年の4月にリニューアルオープンをします。私たちは工事中の美術館内外で様々な試みを2021年度に行いました。内容としては下記を行いました。1美術館内外でのアクションの撮影。2アルミ、ガラスの修練、窯作り。3ヒスロム作業場移築、映画制作。4廃油石鹸制作。5発表について

1 美術館での撮影
2021年度、私たちが美術館を訪れる度、様変わりしていく美術館内の敷地にて様々なアクション(フィールドプレイ)の撮影を行いました。工事期間中ということで今、目の前に広がっている状況はその日その時の有限な瞬間であるため、私たちの瞬発力が求められました。少しずつ美術館全体がメンテナンスされていく時間を私たちは体とアクションを通して知っていくのはとても有意義な時間となり、リニューアルされた後、訪れた人たちに私たちの経験を作品を通じ知ってもらうことは改めて重要なことだと気付かされました。

2 アルミ、ガラスの修練、窯作り
美術館の工事期間中には様々な廃材が出てきます。その中でとりわけ私たちを惹きつけたのは美術館の屋根改修工事の際に出てくる大量なアルミパネルの古い屋根です。このアルミパネルを出来るだけ分けていただき、これらを溶かして錬金術的に新たなモノを作り出したい。そのための練習として、まずは私たちの生活で出てくるアルミ缶を溶かしてみることから始めました。初めは一斗缶サイズの窯を作りました。燃料は美術館の廃材や落ちてる生木などを燃しました。アルミで美術館の形を型どりました。段々慣れてきて次はドラム缶サイズの窯を作ろうとしましたが、それには火を扱うのに長けた場所を探す必要があり、たまたま出会った広島市内の山にあるパネテリエ(パン屋さん)に協力していただきました。パネテリエの敷地を制作場所として様々な実験を行なっています。またガラスは美術館から大量に出た廃棄の蛍光灯を溶かしながらどのようなことが出来るか研究中です。ガラスはアルミとは違って高温でないと溶けないため、窯に明るい友人と共に1300℃近くまで上げることが出来るガラス用の窯を制作しました。これら一連の映像、写真の撮影を行いました。

3 ヒスロム作業場移築、映画制作
2021年度に京都市内にあったヒスロム作業場を解体することになり、この作業場を解体する模様を映画として制作しました。この時に出た大量の廃材、構造体等を広島のパネテリエに運び込み、新しい形としての作業場を再築しています。今後この場所でアルミ・ガラスを溶かし新たなモノを作り出す様をパフォーマンス作品として発表することを考えています。また昨年制作した映画の新たな素材の撮影を予定しています。

4 廃油石鹸作り
大量の作業場の木材やパネテリエ周辺にある間伐材を燃料として、私たちの制作の大きな要素である食べるという行為をモノ化する試みとして、石鹸作りに明るい友人と共に廃油石鹸作りを実験しています。制作中に出てくる油(揚げ物)とアルミを溶かす燃料として残った灰の灰汁を混ぜて作る試みを進行中です。

5 発表について
発表としては美術館が持つ広島市内にある分室101での展示、広島市現代美術館のyoutubeにてこれまでのアーカイブ動画公開、広島市内にて巨大なポスター広報の展示、美術館への道中で掲示している標語制作(ヒスロムが日々感じた良い言葉を掲載)を進行中です。 展示室101では2021年度に広島で行った活動をまとめた、「ヒスロム 現場サテライト 記録・資料展示」として2021年7月13日 – 9月11日まで行いました。内容としては美術館内でのアクションの映像・写真とアルミの練習で制作した様々なモノを展示しました。また現在その続編の展示が開催されています。 美術館でのこれまでのアクションはアーカイブ動画としてyoutubeに蓄積されています。 その他の発表は美術館特設サイト「ヒスロム 現場サテライト」に掲載されています。 https://renovation2023.hiroshima-moca.jp/project/hyslom/

対象作品展示情報

ヒスロム「現場サテライト」記録・資料展示2

開催期間 2022/05/24(火)〜08/27(土)
会場 広島市現代美術館・鶴見分室101
広島県広島市南区比治山公園1-1地図

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