RESULT REPORT
2020年 第4回現代芸術助成檜山 真有
広島の戦災復興に関するリサーチ及び展覧会の企画・制作
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檜山 真有 Maaru Hiyama
公式サイトhttps://linktr.ee/mrrrlgrrrl/
1994年大阪生まれ。
主なキュレーションに『フォールアウトファミリーズ』(2022)、『オカルティック・ヨ・ソイ』(2020)。クリティカル・ライティング・ワークショップ『シャッフル・ディストリビューショナル・エディトリアル・ライティングW』(2022)は愛知県立美術大学でおこないました。『月刊檜山真有』というおみくじマガジンも不定期リリース。ここ近年は美術手帖、FASHIONSNAP. COM、paper Cなどに連載していました。
助成対象活動名
広島の戦災復興に関するリサーチ及び展覧会の企画・制作
助成活動の成果
本助成は 2020 年度採択であった。しかしながら、新型コロナウイルス感染症による緊急事態宣言や他府県の移動の自粛など、先の見えない未曾有の事態へ陥った。それゆえに、当初成果活動のゴールとしていた展覧会開催そのものができず、成果発表をカタログの作成へ変更した。
とはいえ、2020 年度内の完成は協力機関であった広島大学や博物館などの厳しい入構措置により難しく、2021 年度の完成へ変更することをあらかじめ本財団へ伝えた。
2020 年度は取り寄せ可能な資料の調査(家族の戸籍や、図書館を通じた資料の取り寄せ)などから始まり、2021 年度にようやく広島の地を踏むことができた。そこからは何度か感染対策を十全に行った上で祖母への聞き取り調査、調査先での資料調査などを行い、当初のベクトルを微調整しながらも大筋の方向性は変えずに、変容する家族像について資料調査を通じて考察していった。
せいぜい 2 年程度で収束すると考えていたコロナ禍についての見込みが甘く、デザイナーや印刷などの大幅な遅れが見込まれたのが、2022 年 2 月ごろであった。この時点で、2021 年度の提出が難しいことが予想された。そのため、入稿原稿をその合間にアップデートしていった。
ようやく入稿できたのが、2022 年度に入ってからであった。しかしながら、本助成をいただいてから2 年半という大幅な遅れによって、個人と家族の不可逆的な変化、美術館や博物館機能のローカリティなどといったもののコロナ禍によって生じた決定的な変貌を逆説的に反映しているといえよう。
また、本来の目的であった家族を通じたミュージアムコレクションの活用といった面についても、この場合付随的になってしまったが、もちろん叶えられたと考える。