RESULT REPORT
2020年 第4回現代芸術助成菱田 真史
サイエンスとアートの協奏を目指したインスタレーション作品の制作と展示
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菱田 真史 Mafumi Hishida
公式サイト https://hishidamafumi.editorx.io/homepage
科学者・アーティスト。
筑波大学数理物質系助教。
液体や柔らかい物質の物理学・化学に関する研究を行う傍ら、科学的知見に基づいた作品を制作している。科学とは自然の美しさや面白さを見出し表現する活動であり、精神的な豊かさをもたらす文化的営みであると考える。
その哲学の多くはアートと共有したものであるとの思いから“Science is Art”を標榜している。
個人での活動に加え、アートコレクティブCreative Label norのメンバーとしてもアート活動を行う。
主な展示歴に茨城県北芸術祭(2016)、六本木アートナイト(2017)、BIWAKOビエンナーレ(2018、2020)など。
助成対象活動名
■BIWAKOビエンナーレ2020
■東京工芸大学のカラボギャラリー第6回企画展
「光が重なるとき、新しい色が生まれる:When Lights Overlap, New Colors Are Create」
助成活動の成果
科学研究から見出された現象を現代アート作品へと昇華させるべく、映像作品「Flux」シリーズ、および、立体作品「At the Moment」を制作し、複数の会場にて展示を行った。
映像作品の「Flux」シリーズは、日常では感じることのできない「ゆらぎ」を表現した作品である。周囲の環境のわずかな変化に応答した液晶物質の「ゆらぎ」を顕微鏡を用いて撮影し、音を合わせることでこれを表現した。一見CGにも見える映像だが、CGでは表しきれない自然の「ゆらぎ」が表現されており、細胞などの微視的な世界のようでもあり、宇宙空間のようでもある独特の映像空間を生み出すことができた。本作品は、シリーズとして数作品を制作し、BIWAKOビエンナーレ2020では「Flux/N-IL」を、東京工芸大学のカラボギャラリー第6回企画展「光が重なるとき、新しい色が生まれる:When Lights Overlap, New Colors Are Create」では「Flux/Sm-IL」を展示した。
立体作品「At the Moment」は、日常における今その場所その瞬間、を認知させるような作品である。本作品は構造色という光の科学現象を利用して制作され、鑑賞者の位置、その場所の気温、作品が制作されてからの日時、など様々な要因によって見え方が変化する。見る場所や時間を変えるだけで見え方が変化する様から、鑑賞者は「その場・その瞬間」の実在と儚さに気づかされる。本作品は、東京工芸大学のカラボギャラリー第6回企画展「光が重なるとき、新しい色が生まれる:When Lights Overlap, New Colors Are Create」で展示を行った。
いずれも、先端的な科学研究の知見を用いることで、日常ではなかなか感じることができない自然の本質に触れることができる作品となっており、多くの鑑賞者の方にも好評をいただくことができた。
対象作品展示情報
BIWAKOビエンナーレ2020
公式サイトhttps://energyfield.org/biwakobiennale/
開催期間 2022/10/10(月)〜11/23(水)
10:00 〜17:00会場 滋賀県近江八幡市旧市街・まちや倶楽部 東京工芸大学のカラボギャラリー第6回企画展
「光が重なるとき、新しい色が生まれる:When Lights Overlap, New Colors Are Create」公式サイトhttps://www.color.t-kougei.ac.jp/events/events28_23.html
開催期間 2020/09/25(金)〜2021/04/23(金)
12:00 〜17:00(月〜金)会場 東京工芸大学厚木キャンパス・カラボギャラリー
〒243-0297 神奈川県厚木市飯山 1583
東京工芸大厚木キャンパス 12号館 2階| 地図