公益財団法人 アイスタイル芸術文化振興財団

RESULT REPORT

2025年 第9回現代芸術助成スクリプカリウ落合 安奈

現代アート作品および展覧会の制作

  • スクリプカリウ落合 安奈 Ana Scripcariu-Ochiai

    公式サイト https://www.ana-s-ochiai.com/

    美術家。1992年埼玉県生まれ。

    日本とルーマニアの 2 つの母国に根を下ろす方法の模索をきっかけに、「土地と人の結びつき」というテーマを持つ。国内外各地で土着の祭や民間信仰などの文化人類学的なフィールドワークを重ね、近年はその延長線として霊長類学の分野にも取り組みながら、インスタレーション、写真、映像、絵画などマルチメディアな作品を制作。「時間や距離、土地や民族を越えて物事が触れ合い、地続きになる瞬間」を紡ぐ。

    東京藝術大学油画専攻を首席、美術学部総代で卒業。同大学大学院グローバルアートプラクティス専攻修了。同大学大学院彫刻専攻博士課程修了。

    ​東京都写真美術館(2025)、福岡市美術館(2025)、上野の森美術館(2025)、ポーラミュージアムアネックス(2025)、埼玉県立近代美術館(2023、2020-2021)、ルーマニア国立現代美術館(2020)、東京都美術館(2019)、世界遺産のフランスのシャンボール城(2018)やベトナムのホイアン(2019)など世界各地で作品を発表。

    主な受賞歴は、ARTnews Japan「30 ARTISTS U35 2022」、「TERRADA ART AWARD 2021」 鷲田めるろ賞、「Forbes Japan 30 UNDER 30 」2020、「Y.A.C. RESULTS 2020」SWITCHLAB / ルーマニアなど。令和4年度公益財団法人ポーラ美術振興財団在外研修員としてルーマニアで活動。主なパブリックコレクションとして、東京都写真美術館、埼玉県立近代美術館など。

助成対象活動名

現代アート作品および展覧会の制作

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

アーティスト写真:Photo by ©Kotetsu Nakazato/展覧会写真:Photo by Michiko ISHIKAWA

助成活動の成果

本助成による成果として、東京都写真美術館において「総合開館30周年記念 日本の新進作家 vol.22」に参加し、作品発表の機会を得ました。

本展はT3フォトフェスティバルの開催時期とも重なり、国内外から多くの来場者を迎えました。特に、ニューヨーク近代美術館、ヴィクトリア・アンド・アルバート博物館、ポンピドゥー・センターといった世界的な美術館の写真部門の学芸員に作品をご覧いただく機会を得られたことは、今後の活動において大きな意義を持つものでした。

また、本展のメインビジュアルに自身の作品が起用されました。開館30周年記念事業の一環として、約3ヶ月にわたり美術館内外および恵比寿駅構内に作品が掲出され、多くの来館者および一般の通行者の目に触れる機会に恵まれました。

最終的な成果として、東京都写真美術館に《ひ か り の う つ わ》より11点の写真作品が収蔵されました。本作はスライドプロジェクターを用いたインスタレーションとして発表したものであり、その収蔵形態については検討を重ねる必要がありました。写真というメディアの特性上、同館ではプリントでの収蔵が一般的である一方、本作においては額装や構成も含めて作品の重要な要素となっています。

さらに、《ひ か り の う つ わ》は、ルーマニアにおける約1年間の滞在制作を通じて撮影した100点以上のフィルム写真を、約6分間のスライド映像として5台のプロジェクターで投影する作品であり、時間の循環や季節の推移を内包する構造を持っています。そのため、可能な限り複数点での収蔵が作品理解の上でも重要でした。

本助成による支援により、プリントのみならず額装も含めたかたちで11点を収蔵することが実現し、作品の本来の構造を保った状態で美術館コレクションに加えることができました。収蔵点数が一定数に及んだことで、今後のコレクション展等において継続的に展示される可能性が高まったことも重要な成果の一つです。

対象作品展示情報

「Study:大阪関西国際芸術祭 2025、トーキョーアーツアンドスペースレジデンス2025 成果発表展「リンガ・フランカ」展」

展示会サイトhttps://topmuseum.jp/contents/exhibition/index-5087.html

開催期間 2025年9月30日(火)〜2026年1月7日(水)
会場 東京都写真美術館

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