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清水 冴 Sae Shimizu
展覧会サイト https://www.tsuzuru.org/APTIVWBB/about.html
1997年金沢市生まれ。金沢美術工芸大学大学院 芸術学専攻 修了。近年の活動に、「道念邦子アソシエイツ」、「消えつつ生まれつつあるところ」(菊川・金沢)、ワークショップ《Stitch Your Line》(2021-)、「記憶をほどく、編みなおす」(ギャラリー無量・富山)などがある。
助成対象活動名
展覧会「消えつつ 生まれつつ あるところ」企画・開催
Photo by Nik van der Giesen
1:菊川の風景
2:佐藤弘隆, Caramel Record, 2024
3:Margret Wibmer, Salon d’Amour, 2016-
4:O33, 空宿, 2024
5:田中宏和, 座敷童さん、良ければ新しくなったこの場所でもご一緒しませんか?, 2024
6:中森あかね, 僕と君の最後の、最初の日, 2024
7:Nik van der Giesen, The Wavering Landscape, #08, 2024
8:下出和美, 大きな湯たんぽ, 2024, ほか
9:道念邦子, エバーグリーンネバーストップ 永遠のいま, 2024
助成活動の成果
展覧会「消えつつ 生まれつつ あるところ」
2024年秋、石川県金沢市・菊川に点在する空き家群を舞台に、展覧会「消えつつ 生まれつつ あるところ」をNPO綴るとともに開催した。本展は、同年に発生した震災によって失われた多くの人命、コミュニティ、家屋への応答として構想されたものである。
展覧会タイトルは、2024年3月3日に急逝した舞踏家・中嶋夏の公演「消えつつ生まれつつあるもの」に由来する。中嶋はその公演に寄せて、次の言葉を残している。
「師 土方巽は、良く〈消えつつ 生まれつつ あるもの・・・〉といった言い方を我々にしてくれました。〈消滅〉が単に消えてなくなるのではなく、〈再生〉が孕まれているということです。そして何かと何かは孕みあって、複合しているということです。まるで崩れて灰になる寸前の燠に、〈火種〉が隠されていたように・・・わたしが、土方巽、大野一雄 両師にダンスと生きることを教わって、一生踊り続けてきたように、何かが伝わり、そして再生されていくのでしょう。」
舞踏家としてその生を全うした中嶋夏の舞踏には、生と死、美と醜といった価値観を軽やかに、そして優雅に超越する力が宿っていた。その身体表現は、震災によってもたらされた「喪失」を経て、私たちがいかに「再生」へと向かうことができるのかを示唆している。
本展には、その精神に共鳴するアーティストたちが参加した。また、会場となった菊川の空き家群には、展覧会のための地図や看板は設けられておらず、鑑賞者は「メディエーター」と呼ばれる案内人の口伝えを頼りに、作品の置かれた5軒の家屋を巡った。細い路地が迷路のように入り組む、旧足軽の居住地・菊川を彷徨い歩き、鞍月用水のせせらぎに耳を澄ませながら、「消えつつ生まれつつあるもの」を想像する展覧会となった。
対象作品展示情報
「消えつつ 生まれつつ あるところ」
公式サイト https://www.tsuzuru.org/APTIVWBB/about.html
開催期間 |
2024年10月19日(土) 〜 11月18日(月) |
会場 |
イクヤマ家 お向かいの家 Kアパート 角の家 松本家 |
詳細 |
・主催:特定非営利活動法人綴る ・本展覧会は金沢21世紀美術館主催「すべてのものとダンスを踊って―共感のエコロジー」 連携企画「もっと踊ろう!共感のエコロジー」に参加しています。 |